周りの子たちは若くて賢いからわかっているのかなと思っていたら結構違っていて、「私もそこ聞きたかったんです」って教えてくれる。今の子たちはおとなしすぎる気がします。
でも、長男と同じぐらいの年齢の子たちと一緒に学べるのは刺激になります。若い子たちに負けないように、毎日の小テストの勉強もしっかりやっていますし、レポートも仕上げて提出しています。疲れ切って机でそのまま寝てしまうこともありますが。
──若い人たちと一緒に過ごすことで、お子さんへの対応に変化はありましたか。
頭ごなしに叱ってもやる気を失わせるだけで効果がないと気がつきました。言いたいことがあっても先に子どもの言い分を聞くようになりましたね。
例えば子どもの態度が悪かったとしたら、「きっと何か理由があるんだろうな」「実は日常生活で何かうまくいかないことがあるんじゃないか」と考えるようになりました。子どもたちからは「うるさくなくなった」と言われるようになりました。
親が勉強する姿を見て
あとは「これを食べると精神が落ち着くよ」とか「ニキビに効くよ」とか、子どもに説得力を持って説明できるようになったので、そういう話をよく聞いてくれるようになりました。
──学業と仕事、家事育児を並行させている姿は子どもたちにどのような影響を与えていると思いますか。
以前、長男が学んでいた開成高校の先生に「思春期の子どもに勉強させたかったら、親が勉強したり、仕事したりする姿を見せることが一番です」と教えてもらいました。だから「お母さんだって毎日学校に行って、テスト受けて、レポート書いてるんだからあなたたちもしっかりやってよ」って言っています。私が頑張る姿を見ている子どもたちも、きっと頑張ってくれていると思います。
(構成/ライター・浴野朝香)
※AERA 2025年1月13日号より抜粋