俳優で歌手の古川雄大主演ドラマ「コトコト~おいしい心と出会う旅~」(NHK総合・午後10時45分)の「富山編」と「新潟編」がBS放送に続いて、6日から2週にわたって総合テレビで放送される。バイヤーの結稀宏人(古川雄大)が、日本全国を巡って物産展に出す商品を探していく内容。富山、新潟と続くが「人情グルメドラマ」として全国を回ってほしいという声もあがり、第3弾に「群馬編」が決定している注目のドラマだ。主演の古川雄大にまつわる過去の人気記事を振り返る。(「AERA dot.」2023年1月6日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時のものです)
【写真】ミッツも驚愕!「木村拓哉」を過去にした“神レベル”の若手俳優はこちら
* * *
テーマパークのダンサーという異色の経歴を持つ、令和ミュージカル界のエース・古川雄大さん。2007年ミュージカル「テニスの王子様」で初舞台に立ち、19年には目標だったグランドミュージカル「エリザベート」の主要キャストの一人である死神・トートにも選ばれた。華やかな見た目とは裏腹に、芝居や音楽に不器用であることを自認。輝きの源泉にあるのは、子どものような好奇心だ。
念願だったトート役を射止めたのは、ミュージカルに本格進出して8年目。井上芳雄さんとのダブルキャストだった。菊田一夫演劇賞も受賞し、ミュージカル界のエースとしてのお墨付きをもらっていた時期。自分でも気づかなかったミュージカルへの意欲や適性を引き出してくれたのは、同作の演出家である小池修一郎さんだという。
「小池先生には、今も、ものすごく愛情を注いでいただいています。誰に対しても愛情がある方ですが、歌も芝居もすぐできちゃうような達者で器用な人よりも、不器用なりにコツコツ頑張っている人にスポットを当てちゃうところがすごいんです(笑)。とくに僕のような不器用人間は、そこに救われた気がします」
古川さんが師と仰ぐ小池さんは、映像作品に出演すると、感想を送ってくれるらしい。
「(古川さんが主演したテレビドラマの)『恋と弾丸』も、放送が終わった瞬間に『今見たよ』って連絡をいただいたりします。『今回は○○だったね。来週も楽しみにしてる』って簡単な感想が書いてあるんですが、それが本当にちゃんと見た人じゃないと書けないような言葉で……。僕に対してだけじゃなくて、他の方にもされていて、あれだけたくさんの作品を演出しながら、いろんなドラマを見ていることを考えると、いつ寝ているのか心配になるぐらい。本当にありがたいです」
苦しいけれどやめられない
最近は、連続ドラマや映画への出演も増えている。舞台も、昨年は「スペクタクルリーディングバイオーム」で、中村勘九郎さんとも共演した。
「舞台は、1カ月ぐらい同じメンバーで稽古しますから、作品に対する解釈に刺激を受けることができます。いくつになっても怒られたくて(笑)。本番やって、問題点を洗い出して、また本番して改善して、っていうことを繰り返せる舞台の期間はいつも濃密なので、終わったときの達成感はすごいです。映像の場合は、現場に行って、どれだけ蓄えた力を発揮できるかが試される場所。舞台も映像も、両立できたら嬉しいです」