――富裕層だけでないかもしれませんね。

 そうですね。お金だけ与えられて育った子どもは、どういうときにお金が得られるのか、お金の本質を知らずに育ちます。いくらいい大学を出て一流企業に勤めたとしても、本来学ぶべき「お金の基本」がわかっていないので、社会でつまずいてしまいかねません。

――どういうときに、どういうふうに、お金がまわっていくのかがわからないから……。

 親の責任として、お金の教育を子どもの頃からしっかりすべきだと思います。教えるべきは「解決」と「感動」に対する対価です。誰かの困りごとを見つけ、それを自分の持つリソースでどうすれば解決できるかを考えて行動する。それが「解決」に対する対価です。その思考と行動を習慣づけるために、たとえば、子どもが自ら見つけた家事のお手伝いに対して100円を払うという決まりごとを決めてもいいと思います。ソリューションを提供して問題を解決することでお金が得られるということが自然に身につくからです。

ルールを決める

――「感動」の対価とは?

 たとえば、子どもが部活で忙しくてお手伝いができない場合は、試合などで「親に感動を与えたから500円」ということを決めてもいいと思います。それが「感動」の対価です。「解決」でも「感動」でも、そういうルールを決めることで、対価に繋がる何かを探す癖がつくようになるでしょう。それは相手の立場に立った思考ができるようになるということでもあるんです。

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早い時期から経済的な視点や判断力がつく