修学旅行で、小学生の子どもたちが楽しみにしていることの一つに“お土産の買い物”があります。親元を離れ、修学旅行先でお小遣いの入った財布を持って、子どもたちだけでお土産を購入することは、普段の学校生活で体験できないこと。大阪の公立小学校で20年以上教師をしている松下隼司先生は、修学旅行のお土産の買い方・お小遣いの使い方が、昔と変わってきているのを感じているそうです。

MENU “習い事”でお世話になっている人へお土産を買う子どもたち 修学旅行にむけての保護者説明会で伝えていること 物価の上昇、使い道の変化…教師としてどうすればいい?

“習い事”でお世話になっている人へお土産を買う子どもたち

 小学校教師(教員22年目、2児の父親)の松下隼司と申します。

 みなさんは、修学旅行のお小遣い、何に使っていましたか? 誰のためにつかっていましたか? 私はお菓子やキーホルダーなどを、自分や家族に買った記憶があります。

 私の教師経験では修学旅行でお土産を買うためのお小遣いは、3000円としている学校が多い印象です。限られたお小遣いで上手くやりくりして、修学旅行の思い出になるようなお土産を買う時間こそが、子どもたちにとって楽しい思い出の一つにもなります。

 修学旅行先では、家で一緒に生活している親やきょうだい、そして自分にお土産を買う子どもが多いです。田舎に住むおじいちゃん・おばあちゃんにお土産を買う子どももいます。ぬいぐるみやキーホルダー、マグネット、ボールペンなどの文房具、クッキー、キャンディー、グミなどを選んでいます。

 しかし、数年ほど前から、お土産を渡す相手が変わってきたのを感じます。“家族や自分以外”に、お土産を買う子どもが増えてきたのです。

 それは、“習い事でお世話になっている人”です。野球やサッカー、バスケットボール、バレーボールなど、運動関係の習い事でお世話になっている監督やコーチに、修学旅行のお土産を買って渡す子どもたちが増えてきました。

 たぶん最初は、子どもたちや保護者の思いやりから始まったのだと思います。しかし、限られたお小遣いで、家族や自分以外にまでお土産を購入する余裕はありません。

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松下隼司
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