物価の上昇、使い道の変化…教師としてどうすればいい?

 子どもたちのお小遣いについては、担任としていろいろ悩みます。

 最近、物の値段がものすごく上がってきています。物価に合わせて、お小遣いの上限を上げたら?自由にしたら?と思う一方で、家庭によって家計状況はさまざまです。

「習い事でお世話になっている人のために、決められたお小遣いとは別にお金を持って行って、お土産を購入してもいいですか?」という質問にも、対応に悩んでしまいます。

 親元を離れ、修学旅行先でお土産を買うドキドキとワクワクは、家族旅行では体験できないことです。家族を思いながらお土産選びをしている子どもたちの真剣な眼差しは、本当に素敵です。自分へのお土産を選んでいる姿も、子どもらしくてとてもかわいらしいものです。

 修学旅行は、“お小遣い”だけでなく、たくさんの約束事があります。それは、学校としての学習活動であり、非常に大人数での活動になるからです。だからこそ、約束事を守って、自分や仲良しグループの人だけが楽しいのでなく、学年全体、そして修学旅行先で出会う人たちも楽しい修学旅行にしていこうと指導していきたいと考えています。

 お小遣いについての指導や決まりは、まだ悩みが多いですが……。

(文/松下隼司)

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松下隼司
松下隼司

1978年生まれ。奈良教育大学卒業。大阪の公立小学校に勤める現役教師。2児の父親。文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞。令和6年版教科書編集委員を務める。著書に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)、『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、教育書『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、『教師のしくじり大全 これまでの失敗とその改善策』(フォーラムA企画)などがある。教師向けの情報サイト「みんなの教育技術」で連載を持つほか、Voicy「しくじり先生の『今日の失敗』」でパーソナリティーを務める。

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