20日放送の「ニノさん」(日テレ系・午後7時)は、クリスマス2時間SPをお送りする。スタジオゲストには、俳優の阿部サダヲと佐藤健が出演。「阿部サダヲの今一番気になるモノ」と題し、阿部が気になる《早朝グルメ》を徹底調査。超高級カニをかけて挑む、佐藤との絆の3番勝負では、まさかの阿部が大暴走!?そんな彼の過去の記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2022年4月10日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
【写真】「有名になって『よっしゃー!』とか、思ったことない」と語る、大人計画の人気俳優は
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舞台「ドライブイン カリフォルニア」、映画「死刑にいたる病」、ドラマ「空白を満たしなさい」と、今年も話題作への出演が続いている阿部サダヲ。1992年に大人計画に参加し、俳優としてのキャリアをスタートさせた阿部に、「30歳までに芽が出なかったら辞めようと思っていた」という20代を振り返ってもらった。
――日本総合悲劇協会「ドライブイン カリフォルニア」は、大人計画を主宰する松尾スズキさんの作・演出による作品。初演は1996年ですが、当時、阿部さんは俳優として活動しはじめて4年目でした。
阿部サダヲ(以下、阿部):まだ役者では食べていけなかったですね。「ドライブイン カリフォルニア」の初演は舞台の仕込みやバラし、荷物を運んだりもしてました。
ステージ出演後にトラックで運搬をする日々
阿部:大道具も小道具も、当時はすべて役者がやってたんですよ。宮藤さん(宮藤官九郎)もガチ袋を腰に付けて、なぐり(金槌)でトントンやってましたから。皆川くん(皆川猿時)は小道具を作ってたんだけど、ぜんぜんダメでしたね。ある舞台のために、皆川くんが古地図を作ったことがあって。がんばってコーヒーとかで汚してみたらしいんだけど、それを見た松尾さんが「なんだこれ」って呆れてました(笑)。僕も先輩の役者に「小道具係をやって」と言われたんだけど、「イヤです」って断っちゃったんです。だって、出来ないものは出来ないですから。
――役者をやるために「大人計画」に入ったんだから、と?
阿部:そうそう。ただ、僕は「大人計画」に入る前にトラックの運転手をやってたから、トラックの運転は苦にならなかったんですよね。グループ魂(阿部サダヲがボーカルをつとめるバンド)が1997年に初めて赤坂BLITZでライブやったときも、ステージをバラして、トラックで運んでました。ライブのゲストで深津絵里さんが出てくれたんですが、打ち上げの席に俺がいなかったから「ボーカルがいないんですか?」ってビックリしてたらしいです(笑)。当時はそれが普通だったんですけど、いまは裏方の仕事をやってくれるスタッフがいるし、小道具などは外注もしていて。自分が「イヤです」と言ったことで、少しは流れが変わったのかもしれないですね(笑)。
――96年の阿部さんは、ドラマ「キャンパスノート」、映画「トキワ荘の青春」、舞台「ファンキー!」「ナオミの夢」などに出演し、役者として注目されはじめた時期。もちろん「役者としてやっていく」というのは決めていたんですよね?
阿部:いやいや、そんなことないですよ。96年って、26歳ですから。役者に対してそんなに強い気持ちはなかったし、親や周囲の人にも「30歳までに芽が出なかったらやめる」と言ってました。