今回のワールドツアーはグループ史上最大規模。12月5・7・8日には京セラドーム大阪で開催(写真:田中聖太郎)
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 現在ワールドツアー中のStray Kidsが11月14・16・17日、東京ドームでライブを開催。3日間で約16.5万人のファンを魅了した東京公演の初日公演をレポートする。AERA 2024年12月9日号より。

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 満員の東京ドームにソリッドで重厚なバンドアンサンブルが轟いた。3度目のワールドツアーの日本公演初日。この日を待ちわびた約5万5千人のSTAY(Stray Kidsファンの呼称)の大歓声が響く中、最新ミニアルバム「ATE」の冒頭を飾る「MOUNTAINS」からライブはスタートした。横並びで堂々とステージに立つバンチャン、リノ、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックス、スンミン、アイエン。「MOUNTAINS」は絶妙な言い回しを交ぜながら、それぞれの個性がはっきりと伝わる歌/ラップによって、苦難を乗り越えて今の場所を手にしたこと、責任と誇りを抱き、謙虚でありながらも力強く高みを目指すことなどを伝える今のStray Kidsの宣誓のような楽曲だ。重厚なバンド演奏と低音を効かせた歌とラップがドームを揺らす光景からは、「ATE」でグループとして史上初の「Billboard 200」5作連続初登場1位を達成し、3度目のワールドツアー中のStray Kidsの新たな貫禄と風格が感じられた。

 シームレスに披露された「Thunderous」は、「MOUNTAINS」の重厚なバンドサウンドにぐっと寄せていた。続いて「ATE」収録の「JJAM」。ぶつ切りのようなビートをはじめ、耳に残るさまざまなリズムが入り交じる中、リノのまっすぐな歌が伸びやかに響いた途端、プログレッシブだが非常にポップな曲となる。

クリエイティブに確信

「ATE」を経てさらに自らのクリエイティブに確信を持って邁進するStray Kidsの現在地がよくわかるオープニングの3曲だった。MCタイムに入っても独特の「JJAM」のリズムを刻むのを止めずにふざけ合うメンバーたち。自らが生み出した音楽を心底愛し、楽しんでいることが早速伝わってきた。

 過去の代表曲は演出によって新たなエンターテインメントとして昇華されていた。

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8人それぞれの世界観