「Facebook側はすぐさま『トレンドの表示には一貫性と中立性を保つための厳正なガイドラインがある』と否定コメントを発表しましたが、約1カ月後に同社は業務内における『政治的偏向』に対処するための従業員研修の実施を決定しました。米調査会社によると、米国人の約3割がFacebook経由でニュースを読んでいるとされ、もしトレンド入りの記事を恣意的に操作すればユーザーの思想に影響を与える可能性もある」(同)

 また、Facebookでは友人の可能性があるユーザーを表示する「知り合いかも」という機能があるが、ユーザー表示の材料の一つとして「位置情報」を利用していると、今年7月に広報担当者が認めたことも波紋を広げた。ネット上の情報だけでは全くつながりがないはずのユーザーが「知り合いかも」に表示されて驚いたことがある人は多いが、もし位置情報を使って選定しているとなればユーザーのプライバシーやセキュリティーを脅かしかねない。

 Facebookは月間アクティブユーザー数16億5000万人を超える(2016年4月時点)世界最大のSNSであり、日本だけでもユーザー数は2500万人を超えるといわれている。その影響力は年々大きくなっているだけに、社会的な取り組みが評価されつつもユーザーへの過度な干渉を警戒する声が増えていきそうだ。(ライター・別所たけし)

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