![(c)2022-UNE](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/d/5/840mw/img_d528397d713ca2027711ffadd00d8e2375406.jpg)
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
キャリーケース一つで終の棲家へ向かう老マダムを乗せたタクシーが巡る思い出のパリ。そこに重ねて描かれる聡明な女性の奮闘人生。そして彼女を乗せたタクシー運転手の成長のドラマでもあるという作り方が楽しい。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
八方塞がりの運転手にとっては、点と点を結ぶ目印の集合でしかないパリの街並みから、逆境を乗り越えてきた女性の歴史を掘り起こし、風景や心境が変化していく。自然体で絡み合うリーヌとダニーの阿吽の呼吸が心憎い。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
こんな短い上映時間に人生の苦労と幸せを表現できるなんて! 人に優しくすると本当に良いことが返ってくる。ラストを予想できても涙が止まらない。ルノーが美しくてずっと見ていたかった。人生の先輩方は本当に素敵。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
秀作。高齢の女性のタクシーでのパリ横断が、彼女の個人史だけでなく前世紀に女性が抑圧されてきた事例を浮かび上がらせる。生き方次第で人生が素晴らしくなることを明示する、主役2人の人間味ある演技が素晴らしい。
(構成/長沢明「+code」)
※週刊朝日 2023年4月21日号
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