
物価高が続き、給料も上がらず、なんとなく生活が苦しい時代。長生きリスクが心配でこの先、お金に困らない生活を送るには……。お金に関する「教えて!」を解決する短期連載の最終回のテーマは、「これから安心して生きるために」。元メガバンク支店長でお金の専門家・菅井敏之さんに、貯蓄も投資も節約も苦手の、バブル時代に青春を謳歌した筆者(バブル女子)が聞きます。教えて、菅井さん!
――世知辛い世の中。報道される闇バイトのニュースを見るにつけ、胸が痛みます。
菅井:若者が闇バイトに手を出す背景として、非正規採用の増加など雇用の劣化による若者の貧困化があると思います。正規雇用であっても、過重労働で時給換算すれば非正規雇用とさほど変わらない。手取りも少なくいつも生存ギリギリ。まだ20代なのに老後のことを心配しなければならない閉塞感があります。だからなのでしょうか。今は多くの若者が限られた手取りの中でやりくりをしてしっかり貯蓄までなさっていますね。
住宅購入を検討すべき
――でも、それだけでは安心できない人がほとんど。物価高ですし、何歳まで生きるかわからないです。借金をしてでもお金を回す仕組みをつくっておくべき、ということでしたね。
菅井:はい。お金に困らない人生を歩むための着実な一歩が、低い金利の住宅ローンを活用した住宅購入です。住宅ローンの利息分は銀行に払う経費ですが、元金分は返済が進めば自分の資産になります。多くの方が結婚して子どもができてから「そろそろ」と家の購入を検討されますが、20代の若い独身時代から住宅購入を検討すべきです。一生住み続ける家ではありません。資産目的の家と割り切る。将来貸しやすい、売りやすい資産性の高い家を購入して「資産」を作るべきです。そもそも資産というものは、負債(借金)と純資産を合わせたものです。