高嶋弘之さんとみっちゃんこと未知子さん、ちさ子さん。「笑う老人生活」から

 未知子ファンも多いと聞きます。人から声をかけられることにまだ慣れていない未知子は、いきなり有名になった!?ことに戸惑い、「嫌だ嫌だ」と、露骨に不快感を見せることもありますよ。

 その都度、「ちーちゃんのファンの方々なんだから。ちーちゃんの人気なんだから」ってなだめています。

「声かけていただいたら、ありがとうございますって言わなくちゃ」

「私は絶対そんなこと、言いたくない」

 って。こういうところ、あるんですよ。

感心するほど姉思いのちさ子

 そうは言うものの、未知子は、ちさ子のおかげで、大好きな女優・山村紅葉さんや近藤真彦さんに会うこともできました。ある番組の中でのサプライズでした。ちさ子は本当にこちらが感心するぐらい、いつも姉を気遣い、姉思いですし、未知子もちさ子を信頼し、感謝をしていると思います。

 未知子は、自分の与り知らないところで物事が進んだり、理解できないところがあったりすると、気分を害するのか、いきなり怒り出します。

 そういう時は、正直どう対応していいか、わからない。困ってしまいますねぇ。

 ちさ子が外で、「姉はダウン症」と発言していることが気に入らない様子で、

「だって私。治ったもん」と言います。

「わかった、じゃ、今度(ちーちゃんに)言っておくね」

 そう言ってとりあえず落ち着かせます。

足し算はできるけど……

 ちさ子が青山学院に進学した時も、

「どうして私は青学じゃないの」

 こう聞いてきました。

「だって、みっちゃん。足し算はできるけど、割り算はできないよね」

 うまいこと言ったな、僕。

 未知子、「そうかー」って納得していましたよ。

 家内が亡くなった後、もし僕一人だったら、たぶん生きていられなかったと思う。

 未知子がいてくれたおかげで乗り越えられた。

 一昔前には、ダウン症の家族がいると家の中に閉じ込め(引きこもり状態)、存在そのものを否定するかのように隠していた時代がありました。

 それが今や、芸能人ですら、子どもがダウン症であることを公表しています。

 ダウン症は個性の一種です。

 できることもいっぱいあるし、豊かな感情を大切にしてほしいと思います。

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