先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2024年11月14日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。
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高嶋ちさ子さんの父、高嶋弘之さんは現在、都内のマンションで、ダウン症の長女・未知子さん(62歳)と二人暮らし。御年90歳だが、講演会やテレビ出演など多忙を極める中、ライザップに通い、毎日肉を食べ、しゃべり出したら止まらない。そんな弘之さんが上梓した「笑う老人生活」(幻冬舎)が話題だ。書き上げた書籍の原稿を読んだちさ子さんは「どうせまたくだらない事、書いているんだろうと思ったら、意外に面白かった」。二人はどんな暮らしを送っているのだろうか。
ダウン症を隠す時代だったけれど
未知子という存在があったから人に優しくなった、と自分では思います。
街を歩き、ダウン症らしき人を見るとご迷惑かもしれないと思いつつ、
「うちの娘もダウン症なんです」
と、声をかけるようになりました。
それが本当に良いかどうかはわからない。でも声をかけずにはいられない。
社会の中でちょっと生きづらさを抱える人の視点に立って、ほんの小さな優しさを与え合うことの素晴らしさを、未知子が教えてくれたように思います。
当事者であるからこそわかることではありますが、ダウン症児の家族にとっては厳しいことも沢山あります。だからこそ同じ立場の人と繋がれると、緊張の糸がほぐれ、たったその瞬間でも誰かと思いを共有できることが救いになり、見えてくることや、感じられることが沢山あります。そしてそれが光になると私は信じています。
だからダウン症の方と会うと、励ましたい。安心してもらいたい。理解者がいるということを思っていてほしいです。
僕がテレビに出るようになって、声をかけると、向こうが知ってくれていることも多々あって、意外にもそれが助かっています。
僕と未知子は、イコール。未知子のことも、わかってくれています。
未知子は一人でいる時も、街で声をかけられるようになりました。