「絶対この人は死なせん」
献身的に茶さんを支える綾菜さんだが、なぜそこまで尽くせるのだろうか。
「そんな尽くしてると思ってないんですけどね。人に言われて、『え、そうなん?』って(笑)。だって21(歳)ぐらいから一緒にいるんで、それが普通になりすぎてて。加トちゃんって精神的な部分ですごく支えてくれてるんですよ。確かに何もしませんけど(笑)、心の安定剤というか、精神的に守ってくれているんです」
初めこそ恋という感情を抱いていた綾菜さんだが、その気持ちも年を経るにつれ変化をしているという。
「恋が家族愛になって、最近は母性が出てきました。恋が愛に変わったのは、14年にパーキンソン症候群を患ったことがきっかけかもしれません。弱っている加トちゃんを見て、『絶対この人は死なせん』って強く思ったんです。そのとき夫婦の固い絆のようなものを実感して、『あ、これが愛なんだ』って気づけて。それで、年を取ってきて、ちょっとずつ加トちゃんの身長が縮んできて(笑)、すごくかわいいなって思うようになりました。『これが子どもを持つ親の気持ちか~』みたいにも思えて。ブーさんと加トちゃんがいるときなんてめっちゃかわいいですよ(笑)」
聞くまでもないと思いながらも「加藤茶さんと結婚したことを後悔したことはありますか?」と聞くと、綾菜さんは迷いなくこう答えた。
「全くないです。ゼロですね。逆に加トちゃんじゃないと、こんな続いてないだろうなって思います」
※後編<加藤綾菜が「子を持たない人生」を決断した日 「生まれ変わってまた加トちゃんとつくればいい」>に続く。
(AERA dot. 編集部・唐澤俊介)