オーナーは「苦肉の策なんです」
ファミマでイートインが始まったのは2013年。同社は「店舗内スペースの有効活用および、お客さまへの利便性の向上や多様化するニーズにあわせた幅広い商品の提供」を目的としてイートインを推進してきたが、だんだんと制約が設けられていったようだ。
ある店舗のオーナーは「10月からアルバイトの最低賃金が時給で50円上がり、人件費と電気代のアップで経営は厳しい」としたうえで、「だから苦肉の策なんですよ」と話す。
「まず、当初から懸念されていた軽減税率の問題があります。店舗で商品を買って持ち帰れば、消費税は8%ですが、店内のイートインで食べると10%になる。ところが、実際はイートインの使用を申告しないで、消費税8%で買った商品をそのまま食べているお客さんが大半です。かといって、それをいちいち注意するわけにもいきません」
店員にとっては仕事が増えるマイナス面もあるという。
「カップラーメンの食べ残しをそのままにしたり、ごみも片づけないで帰るお客さんもいます。そうした食べ残しの処理やテーブルの清掃もしなければいけないので、仕事は増えますね」(前出の店員)
イートインを削減する狙いは何のか。ファミリーマート広報部報道グループの担当者はAERA dot.の取材にこう答えた。
「都心のオフィス街や駅前にある店舗では、イートインが盛況な店舗もあります。しかし、コロナ禍の3年間はイートインを利用できないようにしていたので、地方や住宅街の立地ですと、『誰も座っていないので、そのまま使えないものだと思っていた』とおっしゃる客さんもいるほど、利用率が減った店舗もあります」