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高性能大口径超広角レンズ

 35mm判換算で24mm相当の画角、開放F1.4の超広角大口径単焦点、ライカ名のマイクロフォーサーズマウントレンズの登場だ。35mmフルサイズ用の単焦点超広角レンズも大口径化が進んでおり、マイクロフォーサーズでもこれに対抗しようというものだろう。
 設計は周辺域においてのサジタルコマフレアを抑制、ボケ味の自然さがウリで、ライカらしいバランスのよい描写という印象だ。開放F1.4の大口径だから、夜間や室内など低輝度下の撮影にも向くが、極端に被写界深度が深いレンズなのでパンフォーカス撮影のほうが得意である。
 とはいえ最近では超広角レンズでもボケ味を生かした写真が多い。特性上、被写界深度のコントロールの制限が出てしまうマイクロフォーサーズだからこそ、大口径レンズが有用であることを本レンズが証明している。

最短撮影距離の0.2mまで近づき、絞り開放で撮影。レンズには厳しい設定だが見事な描写。周辺光量低下も気にならない。この条件では被写界深度は浅くなり、広角を感じさせない写真になる●LUMIX GX8・AE(絞りf1.4・5000分の1秒・-0.66補正)・ISO200・WB:マニュアル・RAW
最短撮影距離の0.2mまで近づき、絞り開放で撮影。レンズには厳しい設定だが見事な描写。周辺光量低下も気にならない。この条件では被写界深度は浅くなり、広角を感じさせない写真になる●LUMIX GX8・AE(絞りf1.4・5000分の1秒・-0.66補正)・ISO200・WB:マニュアル・RAW

デザイン
Mシリーズライカレンズにも似た品のあるデザインで美しく、カメラを選ばない。バヨネットフードはストレートタイプ。フードを装着した時の感触もよい

使用感・操作感
全体の作り込みもよく、AFも速く使いやすい。ただ広角かつ高価なレンズなのにMF時の距離情報表示が考慮されていないのはパナソニックに共通する不満点だ

描写性
周辺部での像の流れはほとんど感じず、画面全体での均一性が高い。開放でも芯のあるピント。絞りによる性能変化も小さい。ボケもガサついた感じがなく自然な描写だ

◆赤城耕一

*  *  *

●焦点距離・F値:12mm(35mm判換算で24mm)・F1.4●レンズ構成:12群15枚(非球面レンズ2枚、EDガラス1枚、UEDガラス2枚)●最短撮影距離:0.2m●最大撮影倍率:0.1倍●画角:84°●フィルター径:φ62mm●大きさ・重さ:φ70×約70mm・約335g●価格:予想実売税別18万円