停止ボタンを押せば止まる機械と、人間は違う。一部の人間の欲望は留まることを知らず、これ以上は過剰だから止(よ)す、とならない。自分以外の他者のことなどお構い無し、見えていない。
なので、世の中には格差があり、生きるか死ぬかの瀬戸際の人と一国を買えるほどの金持ちがいる。環境汚染問題もしかり、自分さえ儲かればいいという人間が引き起こしている。けど、人間ならば、そういった間違いを正すこともできるはず……。
どうでしょう? 後半からはAIを意識して書いてみました。AIが私に寄せて書いたものを読み、私もそれに寄せて書いてみました。人がどう生きるべきかなんて、私が知る由もない。それをいい切るところがAIの『新しい虚しさ』だ。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2023年4月21日号