一番長焦点のα7シリーズ対応手ブレ補正内蔵望遠ズーム
ソニーのフルサイズ対応Eマウント用で、防塵・防滴にも配慮の高級レンズ「Gシリーズ」の望遠ズームの登場だ。望遠端の焦点距離は300mmで、これは単焦点やAPS-C用も含めてソニーのEマウントレンズとしては最長である。
これまで300mmの望遠すらなかったのか?と改めて驚くが、ソニーとしてはある程度以上の望遠域は、マウントアダプターでAマウントのレンズを使ってほしいという意図だったのだろう。
今回は、APS-C機だが像面位相差AFを使ったファストハイブリッドAFによる高速AFが自慢のα6300に装着した。望遠端では35mm判換算で450mm相当の画角になる超望遠撮影になるが、強力な手ブレ補正機能に加えて、滑らかに静かで速いAFの安定感は抜群だった。連写中も被写体を追いやすい最高約8コマ/秒の高速ライブビュー連写との組み合わせは、鬼に金棒状態。「ミラーレスも、ここまできちゃったか」という感じだ。
描写性能については、Gレンズだけあって、フルサイズでの使用時も全く不満のないもので、安心して撮影に集中できる。
デザイン
スイッチやボタン類の配置も含めて、上品かつコンパクトにうまく仕上がっている。APS-C機との組み合わせではレンズの太さが目立ち、見た目のバランスが変な感じになる
使用感・操作感
滑らかで速く安定感もあるAFの動作。手持ちで振り回すのに苦にならない程度には軽い。最短撮影距離がズーム域に関係なく約0.9mと短く、テレマクロ的な撮影に対応できる点も便利
描写性
中央と周辺の描写の差が気になることもなく、乱れなく丁寧な描写がズーム域や絞り値に関係なく期待できる。ただし、最短撮影距離から1.2mくらいまでは、若干硬い描写で美しさに欠ける傾向
◆まつうらやすし
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●焦点距離・F値:70~300mm・F4.5~5.6●レンズ構成:13群16枚(非球面レンズ4枚、EDガラス2枚)●最短撮影距離:0.9m●最大撮影倍率(35mm判換算):0.31倍●画角:34°~8°10′●フィルター径:φ72mm●大きさ・重さ:φ84×143.5mm・854g●価格:税別17万円(実売16万7000円)