全日本5連覇を目指した駒澤大は、出雲に続いての2位となった。当日変更で2区に起用された桑田駿介(1年)がトップと2分以上の差をつけられての区間17位と苦しい走りを強いられたが、3区の伊藤蒼唯(3年)の区間2位、4位の谷中晴(1年)が区間3位で追い上げると、7区でエースの篠原倖太朗(4年)が国学院大の平林、青山学院大の太田を上回る区間賞の走り。そして最終8区で山川拓馬(3年)が日本人歴代2位の好タイムで青山学院大を追い抜いた。
レース後、藤田敦史監督は山川の激走を褒め称えるとともに「箱根に繋がる終わり方ができた。ここで終わらないのが駒澤なので、箱根でリベンジしたい」と力を込めた。その箱根では、故障で出雲、全日本を故障で欠場した“怪物”佐藤圭汰(3年)が戻ってくる予定。三冠を達成した一昨季、二冠の昨季からの戦力ダウンは確かだろうが、山川を筆頭に選手たちの成長もあり、優勝争いには間違いなく加われるはずだ。
青山学院大は、出雲、全日本ともに3位に終わった。2区・鶴川正也(4年)、4区・黒田朝日(3年)が区間賞の走りを見せて序盤からトップに立ち、4区終了時点で2位に1分以上の差をつける理想的なレースを展開したが、5区以降に国学院大の追い上げにあうと、最後は駒澤大にも追い抜かれた。これで昨季、出雲4位、全日本2位から迎えた箱根を大会新記録で制し、多くの主力メンバーが残ったことで今季開幕前は「三冠」への期待も大きかったが、無冠のままの年越しを迎えることになった。
ただ、「箱根に強い」という青山学院大のイメージは単なる空想でなく、チームとして箱根の「勝ち方」を熟知している点は紛れもない事実。そして現チームには、前回箱根5区区間2位の“若の神”こと若林宏樹(4年)と前回箱根6区で区間2位だった野村昭夢(4年)の山のスペシャリストがいる。「山」の実績では「青学>駒澤>国学院」だろう。出雲、全日本では敗れたが、箱根では「山」を利用し、そのタイム差を一気に逆転することができる。最終的には「やはり青学が強かった」となる可能性は十分にある。