DeNAの26年ぶり3度目の日本一で幕を閉じた今年のプロ野球。しかし来シーズンに向けた戦いは既に始まっている。特に気になるのが来シーズンの契約を結ばないと通告された選手たちだ。日本シリーズが終わった翌日までに100人を超える選手の自由契約が発表された。中には育成での再契約を打診されている選手もいるが、他球団へ移籍する道を探している選手は少なくない。そんな中から新天地で飛躍が期待できそうな選手を探ってみたいと思う。
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日本一に輝いたDeNAを自由契約となって密かに注目を集めているのがサウスポーの石川達也だ。横浜高校では藤平尚真(現・楽天)と二枚看板として活躍し、法政大を経て2020年の育成ドラフト1位で入団。2年目の2022年6月に支配下登録されると、昨年はリリーフで28試合に登板して3ホールド、防御率1.97という成績を残した。今年は少し登板機会を減らしたものの、それでも15試合に登板して防御率1.93をマークしている。
ストレートは140キロ台中盤と驚くような速さはないものの、カットボール、チェンジアップという対になる変化球を上手く操り、制球力の高さが光る。走者を背負ってからの粘り強さも持ち味だ。左打者に対する成績が悪く、昨年よりも全体的に数字が悪化したことが自由契約となった原因と見られるが、貴重な左投手でまだ若く、コントロールも安定しているだけに、中継ぎ陣が手薄な球団にとっては狙い目の選手と言えるだろう。すでに巨人が獲得に向け調査を行っていると報じられている。
石川と同じ左投手ではソフトバンクが自由契約を発表した笠谷俊介と三浦瑞樹の2人も面白い存在だ。笠谷は2014年のドラフト4位で大分商から入団。プロ入り後は二軍暮らしが長かったが、2020年には20試合(うち11試合が先発)に登板して4勝、2021年にも16試合(うち12試合が先発)に登板して3勝をマークしている。
今年は8年ぶりに一軍登板なしに終わったものの、二軍では24試合に登板して防御率2.82とまだまだ力があるところを示した。コントロールには少し課題が残るものの、左投手らしいボールの角度があるのが魅力。先発、リリーフの両方を経験しているのも強みだ。