「娘のためというより、私が欲しくて」(母親)、目当てのグッズは並んででも手にいれる。親子喧嘩をしても、推し活で盛り上がれる。
「ママとの推し活の良さは、否定されないこと。どんどん本音で話せること。インスタグラムで投稿が上がった瞬間、どっちがいいねを早く押せるか競争したりしています」
東京都在住の50代女性は「姉とは性格が違う。共通の推しがいなかったら、こんなにしょっちゅう話したりしてなかったかも」。岐阜県に住む50代の姉と30代の姪、そしてこの女性を強く結びつけているのは、あるフィギュアスケート選手。
「姉が高校時代、フィギュアスケート部に所属するほどフィギュア好きで、その選手推しに。姉からアイスショーに誘われるうち、姪と私も彼推しになったんです」(女性)
「親子で推し活の良い点、良くない点は?」という質問をLINEで送ってもらうと、お姉さんからこんな返事があった。
【良い点】
「グッズ売り場など混んでいるところも娘が走って買いに行ってくれる」「チケットが余った時に融通がきく」「姑が娘に甘いので出かけるときに気が楽」「SNSと語学を娘が駆使してくれ、入手困難なチケットをゲットできた」
【良くない点】
「娘と一緒のため、母親持ちの経費が増える」「娘の結婚が遠のく気がする」
一方、姪御さんからは「母が興奮してやかましい」。二人に共通していたのは「グッズや写真集を共有できるのは良い点だが、親子で推し活のためテンションが高まりすぎグッズが無限に増える」だった。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2024年11月4日号より抜粋