100年続く文化に
「ある日、ファミレスで先輩に今後のことを相談したんです。すると、『いま清輔くんがやっていることを全部書いてごらん』と紙ナプキンを渡されました。お金になることも趣味も全部挙げたら12~13個ありました。『この中でおじいちゃんになっても続けたいのはどれ?』と聞かれたとき残ったのが、チャリティーサンタだったんです」
最初のクリスマス後の打ち上げで見た光景が原点だという。
「僕は事務側を担当してサンタはやらなかったのですが、サンタ役のボランティアが、その日あったことをうれしそうに話していたんです。この笑顔の先に子どもや保護者の笑顔もあるんだと思うと鳥肌が立ちました」
活動の中で、国内にも経済的な苦境などでクリスマスや誕生日を祝えない子が大勢いると知る。国内向けの活動にシフトし、14年に法人化、専業になった。
「僕が一番目指しているのは大人へのアプローチです。世の中には優しい人がたくさんいます。社会が冷淡と言われるのは手を差し伸べる機会がないだけ。大人が自然に手を差し伸べられる社会をつくりたいんです」
そして、今後は。
「これを100年続く文化にしたい。ブックサンタは書店業界との活動ですし、シェアケーキは洋菓子店に協力してもらっています。こうした活動が10個くらいあれば、1年間切れ目なく様々なアプローチをしていけます。いま40歳ですが、40代のうちにそんな仕組みをつくりたいですね」
(編集部・川口穣)
※AERA 2024年11月4日号