ジョッキー時代の藤田菜七子

涙は「救いにはならない」

 藤田へのバッシングでは「嘘つき」というワードも多く登場する。スマホの不適切利用について、藤田は最初のJRAの聞き取り調査には「XとYouTubeを閲覧していただけ」と説明していた。しかし、週刊誌報道後の調査では厩舎関係者と連絡をとっていたことが発覚した。

これについては、JRAが「虚偽申告」と問題視したこともあり、「嘘までついてスマホいじったとか悪質過ぎるやろ」(※X投稿より)などとバッシングの炎に油を注ぐ材料となってしまった。

 竹中氏は言う。

「ウソをついてはいけないというのは、危機管理上はもちろん、社会生活においても絶対的なルールです。聴覚障害がある作曲家として活動していた佐村河内氏が、実は耳が聞こえていて曲もゴーストライターに作らせていたことが判明したときも、大バッシングが起こりました」

 また、藤田の師匠である根本康弘調教師がメディアの取材に対し、「大泣きしながら、オレの万年筆で引退届を書いていた菜七子の姿は、死ぬまで忘れません」と明かしたことにもさまざまな反応が寄せられた。

 Xでは藤田に対し、「第二の人生頑張ってほしい」といった励ましのコメントもあるが、「バレてから泣いた所で後の祭り」「泣けば同情してもらえると思ってそう」など逆に不信感を募らせた人も少なくないようだ。

 竹中氏は「涙は救いにはなりませんよ」と、ばっさり言い切る。

「最近の芸能界は、プライベートをふくめ自分の素顔も見せようとする風潮がありますが、不祥事の後に泣くことで印象が良くなることはありません。もちろん、自分の身近な人であれば『助けてやるか』という気にもなるでしょう。でも会ったこともない有名人が泣いたところで、本心から泣いているのかも判断できないし、むしろ『何泣いとんねん』と冷めてしまう。『もっと泣けばいい、もっといじめられればいい』と、悪意の暴走を招くリスクもあります」

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