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α7シリーズ用AF対応超広角レンズ

 ツァイスのBatis(バティス)シリーズはソニーEマウント用として開発されたAF交換レンズ。3弾目として18mmF2.8の超広角レンズが登場した。
 18mmという超広角レンズは、35mm判カメラ用としてはツァイスが先鞭をつけたもので、伝統の焦点距離ともいえ、ヤシカコンタックス用にもディスタゴンT*18mmF4AE/MMというレンズがあった。
 本レンズの開放F値はF2.8でそれよりも一絞り明るいことが特徴。330gと適宜な重さでα7各モデルとの相性もいい。フィルター径はφ77mmと大きく、先端が広がり全体が大ぶりに見える。ツァイスの性能優先での設計思想だ。
 各収差補正は良好。カメラを水平レベルに構えると超広角らしいパースペクティブは抑制される。被写体に対してもう一歩踏み込むような気持ちで撮影にのぞみたい。

至近距離で絞り開放、雨天の悪条件下だが階調をキレイにつなぐ。わずかな周辺光量落ちも味方につけ、底力を感じさせる描写。ボケ味も良好だ●ソニー α7Ⅱ・AE(絞りf2.8・400分の1秒・-0.3補正)・ISO400・WB:マニュアル・RAW
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至近距離で絞り開放、雨天の悪条件下だが階調をキレイにつなぐ。わずかな周辺光量落ちも味方につけ、底力を感じさせる描写。ボケ味も良好だ●ソニー α7Ⅱ・AE(絞りf2.8・400分の1秒・-0.3補正)・ISO400・WB:マニュアル・RAW
レンズには有機EL表示窓がある。上の場合、撮影距離2m、絞り値はf5.6。1.3 ~ 3.7mが被写界深度内に入ることを示している
レンズには有機EL表示窓がある。上の場合、撮影距離2m、絞り値はf5.6。1.3 ~ 3.7mが被写界深度内に入ることを示している

デザイン
ツァイスレンズに共通する全体が黒の落ち着いた仕上げで高級感がある。フォーカスリングはゴム製でローレットは刻まれていないが、指がかりもよくMF時も実用上の問題はない

使用感・操作感
AF速度は良好。小窓に有機ELで距離指標と被写界深度が数値表示できる。広角レンズの深い被写界深度を利用してMFでスナップする場合にはありがたい機能だ

描写性
開放絞りではわずかな周辺光量低下があるが、品のよい落ち方で画面が締まる。画質の均質性も高く、絞りによる画質変化もほとんど感じられない使いやすいレンズだ

◆赤城耕一

*  *  *

●焦点距離・F値:18mm・F2.8●レンズ構成:10群11枚(特殊低分散ガラス5枚、非球面レンズ2枚、特殊低分散ガラスで非球面レンズ2枚)●最短撮影距離:0.25m●最大撮影倍率(35mm判換算):1:9.5●画角:99°●フィルター径:φ77mm●大きさ・重さ:φ78×95mm・330g●価格:実売19万9800円