結婚の儀後のパレードの1時間前に雨があがり、薄日が差した。沿道の人たちに手を振る皇太子さま(当時)と雅子さま=1993年6月9日、東京都千代田区

ご成婚パレードと即位式に日が差した

 もちろん、雨がやまないこともある。2023年春の園遊会は強い雨に見舞われ、石川県の前週に訪問した鹿児島県では土砂降りが続き、予定の変更が相次いだ。

 実は皇太子時代の陛下は、「雨」に縁があることで知られていた。平成のはじめから取材を続ける複数の報道関係者は、

「皇太子さまのおでましは雨に突然降られることも多いので、雨具は常備せよ」

 という認識だったと口をそろえる。

 それでも、「大事な瞬間に雨があがる」場面は、たびたび訪れた。
 

 1993年6月9日、おふたりのご成婚の日も、朝から雨だった。

 それが夕方からのパレードの直前に雨があがり、薄日さえ差した。おふたりを乗せたオープンカーは皇居前広場、新宿通り、そして東宮仮御所へと走り、沿道に集まった大勢の人びとの祝福を受けたのだった。

 2019年の即位式での様子も、記憶に新しい。この年の10月22日、天皇陛下が即位を宣言する「即位礼正殿(せいでん)の儀」が執り行われた。

 このとき、儀式の直前に雨風が強まり、中庭に装束姿で並ぶ職員の配置の一部を宮殿内に変更することに。しかし、始まる前に雨はあがり、空には大きな虹が弧を描いて話題になった。
 

「天気が良すぎて」と愛子さま

学習院幼稚園の父親参観はあいにく雨模様だったが、愛子さまを見つめる陛下(当時、皇太子さま)の幸せそうな表情が印象深い=2006年6月、東京・目白の学習院幼稚園

 皇太子時代は雨の多かった陛下だが、先の報道関係者はこう振り返る。

「令和に入ってからは、たとえ天候が雨であっても、到着や出発の瞬間に雨がやむ場面が増えたように思います」

 一方で、お天気に恵まれる印象があるのが、両陛下の長女、愛子さまだ。学習院初等科の入学式や2017年の高等科の入学式では、ご家族3人で傘を手に楽しそうに式に向かう場面もあったが、大きな行事やお出かけの際は天候に恵まれている。

 両陛下の佐賀県訪問に続いて、10月中旬に同県を訪れた愛子さまの初の地方公務も、天気に恵まれた。秋晴れのなか、SAGAスタジアムに到着した愛子さまは「天気が良すぎて暑いくらい。心もあつくなって」と笑顔を見せた。
 

 10月30日には、東京・赤坂御苑で秋の園遊会が開かれる。気象庁によると、東京地方の天気は「曇一時雨」で、降水確率は50%。果たして愛子さまの笑顔のように、さわやかな天気に恵まれるのだろうか。

(AERA dot.編集部・永井貴子) 

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?