上皇后美智子さまの90歳の誕生日を祝うため、仙洞御所に入る愛子さま=10月20日、東京都港区
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 天気が周期的に変わる秋。皇室の行事や公務が、雨に遭遇することは珍しくない。しかし、「大事なタイミングで雨があがる」というエピソードに事欠かないのが、天皇、皇后両陛下だ。そして両陛下の長女、愛子さまは、いつも好天に恵まれていると言われている。今月末には秋の園遊会が催されるが、果たして「秋晴れ」に恵まれるのか――。

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 前の日は、強い雨が降った。今日は大丈夫だろうか――。

 佐賀県鹿島市のJR肥前浜駅にある、地酒を提供する交流拠点「HAMA BAR」。富久千代酒造の飯盛日奈子さん(25)は、心配しながら曇り空を眺め、これから視察に訪れる天皇陛下と皇后雅子さまの到着を待っていた。

 おふたりが到着するのは、午後3時ごろ。懇談のために待機している小学生らとも、「雨が降らないといいね」と話していた。

 しばらくすると、うまい具合に太陽が顔をのぞかせてきた。みんなで喜んだのも束の間、強い日差しにじりじりと照り付けられる。おそろいの青い法被を羽織っていたため、飯盛さんたちも子どもたちも、汗で衣服がぐっしょり濡れるほどだった。
 

 秋晴れの空のもと、天皇陛下と雅子さまを乗せた車が到着した。

 子どもたちが、地域の歴史や酒蔵を紹介する「子ども街並みガイド」を実演。天皇陛下は優しく、「皆さんは、どこが好きですか」と質問し、雅子さまも「よい発表でしたね」と笑顔を見せた。

「また来てください!」

「HAMA BAR」を出発する車に向かい、子どもたちが、せーの、と声を合わせてお見送りの声を届けると、おふたりは車の窓を開けて手を振ってくれたという。
 

 タイミングを図ったように、ポツポツと雨が降り出し、すぐに土砂降りになった。傘がなくてはとても外に出られず、ほぼ全員が待機することになった。

「なんてタイミング……」「すごい」

 その場にいた人たちから、そんな声が漏れた。

 というのも、前日の5日にも同じような出来事があったからだ。
 

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「何か不思議な力を…」と地元紙