グループ5社で一括した採用を実施しているみずほFG。グループならではの幅広い仕事領域が売りだ(写真:みずほFG提供)
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 コロナ禍を経て、就活市場の動向が変化している。一時、人気が低迷していたメガバンクが今年は復活。その理由とは。AERA 2024年10月21日号より。

【表】人気企業110社が採用したい大学は? 就職者数はこちら(全9枚)

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 近年、過去最高益を記録するなど業績好調なメガバンク。一時は就活市場でも人気が低迷していたが、今年は完全なる人気復活となった。都内の私立大3年の女子は言う。

「AIに仕事を奪われても、コロナ禍みたいな非常事態でも、銀行自体はなくならないだろうという安定感があって、銀行にちょっと興味があります」

 キャリタスの就職希望企業ランキングでは、2018年卒まではメガバンク3社がトップ5に入っていたが、19年卒、20年卒にトップ5に入るのは1社だけ。21年卒は12位が最高になるほど低迷したが、徐々に持ち直し、24年卒では再びトップ5に3社が返り咲いた。25年卒ではトップ3を3社が占めるという好調ぶりだ。

 今年、みずほフィナンシャルグループ(FG)は採用人数を増やしている。23年卒はグループ全体で新卒約800人を採用していたが、25年卒では約千人まで増加した。

 採用数の増加もあってか、25年卒の採用のエントリー数は、24年卒と比較して約10%増。いま開催中の26年卒のインターンシップでも、エントリー数は各プログラムで10~20%ほど増えているという。みずほFG採用チームの白川裕季子さんは言う。

「コロナ禍を経て、学生さんが比較的、安定志向になり、大手に回帰しているところがあると考えています」

グループで合同採用

 人気復活の要因としては、採用方法を改めたことも大きかった。24年卒から、FG、銀行、信託銀行、証券、シンクタンク・IT・コンサルのリサーチ&テクノロジーズのグループ5社の待遇をそろえて、合同採用を始めた。

「グループ一体でお客様に最適なソリューションを提案していけること、入社後は会社をまたいで柔軟にキャリア形成できることを学生に打ち出しています」(白川さん)

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「キャリア特定型」の採用コースを拡充