12年ぶりに党代表に返り咲いた野田佳彦元首相

 一方の野党。立憲民主党の野田代表は、得意の演説で自民党裏金事件などを追及し、総選挙での自公過半数割れをめざす。代表選では、野田氏のほか枝野幸男、泉健太、吉田晴美各氏が立候補。9月23日の投開票では、野田、枝野両氏による決選投票の結果、野田氏が当選した。首相(民主党代表)だった2012年の総選挙で敗れて政権の座を降りて以来、12年ぶりの「復権」である。自民党が裏金事件で窮地に立たされる中、政権交代の好機と判断して代表選に名乗りを上げた。

石破氏と同い年

 野田氏は石破氏と同じ57年生まれ。早稲田大学を卒業後、松下政経塾で学び、千葉県議を経て、93年に日本新党から衆院初当選した。96年の総選挙では落選。2000年から連続当選している。09年に発足した民主党政権で財務副大臣、財務相を経て11年に首相に就いた。演説の名手で言葉に力がある。銃撃された安倍氏の追悼演説は与野党から絶賛された。野田氏は国政選挙での共産党との連携に消極的な半面、日本維新の会との連携には前向きだ。こうした姿勢に立憲内のリベラル勢力からは不信感が出ている。

 野田代表は党務総括の代表代行兼選挙対策委員長に大串博志氏、幹事長に小川淳也氏を起用。財務省出身の大串氏と総務省出身の小川氏という50代の二人が野田体制の中核となって、石破自民党に政策論争を挑む。(政治ジャーナリスト・星浩)

AERA 2024年10月14日号より抜粋

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