天皇陛下64歳の一般参賀。宮殿ベランダでの並び順はご家族ごとだが、お出ましやお手振りは「ご身位」通りの順番となる=2024月2月23日、宮殿東庭、代表撮影/JMPA

 佳子さまは2023年5月、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市をおひとりで訪れ、石巻南浜津波復興祈念公園では震災の犠牲者に祈りを捧げている。

 そして今回、能登半島地震の被災地訪問のタイミングについては、佳子さまより愛子さまのほうが先になった。

 前出の山下さんは、その理由について、こう話す。

「特別な事情ではなく、ご身位による順序ではないでしょうか」
 

ご身位に沿って

 山下さんによると、被災地の訪問は、宮殿行事と同じように「ご身位」の順序に沿って、天皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、そして親王や内親王をはじめとする皇族方、と続く形になることがほとんどだという。

 今回の能登半島地震で、皇室で最初に被災地を訪問したのは両陛下だった。3月と4月、いずれも現地に大きな負担をかけないように、日帰りの日程だった。

 皇嗣の秋篠宮さまは2月に、自身が総裁を務める済生会の石川県済生会金沢病院(金沢市)を訪問しているが、大きな被害を受けた穴水町に入ったのは陛下の訪問後の4月19日だった。

 秋篠宮妃の紀子さまは4月26日に金沢大学を訪れ、避難した子どもたちの学習支援に取り組んできた学生らと懇談。9月にも訪問して健康診断の様子を視察した。

 山下さんによると、皇太子や皇嗣が天皇の名代として訪問したり、天皇の許しを得て皇族方が先に訪れたりという例外はある。また、皇族それぞれの公務や受け入れ先の都合などが影響することもあるが、基本的には「ご身位に沿う形になる」のだという。
 

 今回の日程変更を受けて、愛子さまの初めてのおひとりでの地方公務は、佐賀県で開催される国民スポーツ大会の競技観戦となった。

 愛子さまは10月11日から2日間、そして佳子さまが14日、15日に訪問して大会の総合閉会式に出席する予定だ。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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