こうした反応は調査結果にも影響しているのだろう。たとえば日テレが9月3日に自民党員に対して行った調査では、小泉氏は石破茂氏に次いで2位だったが、12日に行った調査では台頭する高市早苗氏に逆転されている。

 このままでは決選に残れない――。そうした焦燥感が小泉氏をして“因縁”のある全特に頭を下げさせることになったのだろう。しかしその思惑はうまくいくのか。前述の自民党関係者はこう述べた。

「野田さんが同行しているから、岐阜県内の全特の票は入るかもしれないが――」

 09年の衆院選で初当選して以来、親の七光りを受けて順風満帆だった小泉氏だが、トップの座を前にして思わぬ「親の因果」にぶち当たっている。これぞまさに、父・純一郎氏がかつて述べた「“まさか”の坂」なのかもしれない。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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安積明子

安積明子

■あづみ・あきこ/兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、政策担当秘書として勤務。その後テレビなど出演の他、著書多数。「『新聞記者』という欺瞞|『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)などで咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を3連続受賞。近著に「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)。趣味は宝塚観劇。

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