今年3月、がんに罹患していることを公表し、療養中だったキャサリン妃(42)。イギリスの現地時間9月9日午後4時半、自身の公式インスタグラムで約3分間の動画を公開した。撮影場所は、キャサリン妃が家族そろって夏休みに滞在したノーフォーク州。ウィリアム皇太子(42)、ジョージ王子(11)、シャーロット王女(9)、ルイ王子(6)とピクニックに行き、美しい自然の中で散歩したり、ブランケットに寝そべったりして、笑いの絶えないひとときを過ごしている様子が配信された。
【写真】キャサリン妃に説明責任求める声 がんの化学療法終了報告も思わぬ波紋 空気読まぬヘンリー王子夫妻
この記事の写真をすべて見るそんな愛情あふれる一家の映像に、キャサリン妃の言葉が流れる。「がん治療の予防的化学療法が終了したとお知らせするのはなんとうれしいことでしょう」。国民から寄せられたお見舞いに感謝し、これまでのおよそ9か月がいかに苦しいものだったかを振り返りながら「(療養生活は)多くの気付きを与えてくれた。完全な回復には時間がかかるけれど、これからは『キャンサー・フリー(がんがない状態)』を保つことを目標に、1日1日をあるがままに受け入れたい」と語った。誠実で率直、胸にしみる内容だった。
キャサリン妃、公務に復帰
動画の中でキャサリン妃が着ているふんわりしたボヘミアン風のミディ丈のドレスは、ペイズリー柄。ペイズリ―は人間の心理に安心感を与える効果があると言われる。そのことも相まってか、イギリスの人たちは「うれし涙が出た」「ひとまず安どした」と反応し、チャールズ国王(75)とカミラ王妃(77)は「素晴らしいニュース」と喜んでいるという。
キャサリン妃は今後、公務への出席をいくつか予定している。まず11月10日の戦没者追悼記念式典に顔を見せるとみられる。12月には、毎年自ら主催してきたクリスマス・コンサートを開く予定だ。
なぜ質疑応答が可能な会見をしないのか
ただ、今回もまた、キャサリン妃はがんの部位など病状の詳細を明かさなかった。エクスプレス(オンライン)によると、BBCニュースの司会者が妃に説明責任を求めるような発言をして物議を醸したという。
この司会者はイギリス王室が、これまでの伝統的なメディアを介さずに情報発信をしていることに疑問を呈してもいる。以前はロイヤルファミリーの健康情報は宮殿や王室専門記者から公式声明で発表されていたからだ。今回、キャサリン妃が記者会見や公式インタビューではなく、インスタグラムで国民に直に話しかけたわけだが、司会者は、公人として質疑応答が可能な機会を持つべきとにおわせた。しかし、司会者の意見に賛同する声は上がらず、専門家は英王室と国民が個人的なつながりを持つ新しいコミュニケ―ションの時代に移行する兆しだと説明している。