後藤:ベースとなる本業があって、プラスやりたい範囲で副業できているのが1番心地良いという選択も大事なことです。
荒木さんは原動力となる知的好奇心があり、具体的な事象と抽象的なものの間を行ったり来たりをすることができて観察力もある。情報に対する感度も非常に高いですし。
荒木:藤原和博さんが著書の中で、「最初のキャリアで1歩目を固める。その1つの仕事を踏ん張って1万時間、5~10年経験する。日本も含めて世界中の義務教育がほぼ1万時間である。1万時間かければ、人間の脳はマスターするようになっている。
一生懸命1万時間、営業の仕事をした人は営業パーソンとして100人に1人の人間になっている。1歩目を軸足にしていろいろやってみて、30代ぐらいまでに左足と右足の軸が固まれば、それで1歩目と2歩目をつなぐ『ライフライン』ができる。1/100×1/100ということで、1万人に1人の希少性を得ることができる」という言葉が刺さったんですね。
とりあえずやってみる。本当に無理だったらやめればいい。周りの人から言われたことで残っているのが、「お金に関しては切り分けて考えた方がいい」。チョコレートを食べ続けて、お仕事をもらえるようになったのは、本当に偶然のこと。だからお金を目的としない。
ギャラがいいから仕事を選ぶのではない。あとは、チョコレートを買うため「チョコ貯金」をしています。今まで 10カ国以上海外にチョコを買いに行き、日本も全都道府県巡って、洋菓子屋さん開拓をしています。
必要となる「学際的スキル」
後藤:「複雑な問題を解決し、新たな洞察を生み出し、イノベーションを起こすために、2つ以上の異なる分野の知識を統合し、応用する技術のこと」を学際的スキルと呼んでいます。これからのAIの時代に、この学際的スキルが人間の役割として残っていくと思っています。
僕の場合は、人材育成、社会課題解決、最新のスキル(特にデジタル分野)の3つが組み合わさって、リスキリングというスキルになっていると思うんです。