記者は意地悪な質問、揚げ足取りの質問をしてくることも多いし、悪意のある記事を書くことも多い。報道内容に関して、「偏っている」「不当だ」と感じることも少なからずある。だからといって、抗議をしたり、訂正を求めたりしたところで「報道の自由」を盾に突っぱねられるだけだ。

 筆者がメディア対応に関して、他に聞かされてきたこととしては、

 ということがある。

 小泉議員は、先ほどのような回答を行った後に、記者の名前を尋ね、「このようなご指摘を受けたことを肝に銘じ、『あいつ、ましになったな』と思っていただけるようにしたい」と回答。

 さらに、「同じようなご質問、ご意見を私は環境大臣の最初の記者会見で、ご指摘いただきました。2年間、環境大臣を務めた後、そのベテランの記者さんとは、退任の時に花束をいただく関係になりました。(質問した記者とも)そうなれればうれしいです」と語った。

 このように言われてしまっては、記者の側としても、それ以上批判する気にはならないだろう。

目の前の記者ではなく、その先を見よ

 2点目に関して言えば、読者や視聴者は、必ずしも記者やメディアの味方というわけではない。記者が取材相手に失礼な質問や不適切な質問をしたり、知識不足だったりすると、記者やメディアのほうが叩かれる。

 現在では、多くの記者会見はネットで視聴ができるようになっている。メディアが自分に都合よく編集しても、元のやり取りをチェックすることもできる。記者やメディアも監視され、批判をされるようになった。

 現代は、理不尽な質問や的外れな質問に対しても、憤ったり、反論したりすることなく、冷静かつ誠実に対応すれば、十分に評価される時代でもある。これをチャンスととらえるか否かが自身の未来を決めるだろう。

(西山守:マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授)

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