チャリティーマラソンを完走した「やす子」(写真:Pasya/アフロ)

日テレの災害報道は信用できなくなる?

 さらに、かねて話題に上がっている、チャリティー番組をうたいながら出演者にギャラが支払われている件についてもこう言及する。

「募金総額については10月に詳細を発表するそうですが、“ギャラ問題”については相変わらず明らかにされていません。今回、やす子さんが『チャリティーマラソンのギャラ1000万円ってデマが飛び交ってるけど、一銭もいただいてないですよ!』などとXでコメント。YOSHIKIさんが同じくXでこれまでに出演した『24時間テレビ』はすべてノーギャラであることを明かしましたが、結果的に『じゃあ、他の出演者はどうなの?』『やす子やYOSHIKIが受け取らなかったギャラはどういう扱いになるの?』などギャラ問題がより注目を集めることになりました」(前出の放送作家)

 また、実業家の「ひろゆき」をはじめ、一部から、これまで同番組がずっと障害者に焦点を当ててきたにもかかわらず、現在パリで開催中のパラリンピックの中継をしなかったことに疑問の声が上がった。さらに、他局の情報番組の制作スタッフはこんな“矛盾”を指摘する。

「そもそも、テレビの報道番組や情報番組では、ずっと台風の猛威を伝えていて『不要不急の外出は控えてください』『命を守る行動をしてください』などと視聴者に注意を呼びかけていました。それなのに、報道機関でもある日テレが台風の最中にマラソン企画をやること自体、災害報道との兼ね合いという点では矛盾を感じます。『もう日テレの災害報道は信用できなくなる』という視聴者の声もある。もっとも、日テレはコロナ禍の緊急事態宣言下でも『24時間テレビ』の放送を強行したくらいですから、そのあたりはまったく意に介していないんでしょう」

 いくら番組の放送意義をアピールしても、視聴者が普通に抱く“疑問”が解消されない限り、番組への逆風が収まることはないだろう。

「日テレが『24時間テレビ』を放送することで広告収入など多額の収益をあげていることは多くの視聴者が知るところです。“チャリティーの本質を見つめ直す”“募金の使い道をクリーンにする”と本気で思っているのであれば、番組に関する広告収入や協賛金、番組制作費などの収支はある程度オープンにする必要もあるのではないでしょうか」(前出の情報番組スタッフ)

 来年以降は、視聴者の不信感を払拭する「24時間テレビ」に変わることができるか。注目したい。

(立花茂)

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立花茂

立花茂

東京都出身。大学を卒業後、スポーツ紙の芸能記者として活躍。その後、週刊誌や月刊誌、ニュースサイトなどでも記事を執筆。得意ジャンルは芸能だが、取材対象はアニメ、競馬、プロレスなど多岐に及ぶ。最近はweb3.0にも興味あり。

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