エミネム、自身の子どもたちのホーム・ビデオで後悔を描く「Somebody Save Me」MV公開
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 エミネムとジェリー・ロールは、アルバム『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』の最後のトラック「Somebody Save Me」で初めてタッグを組んだが、それから1か月余りが経った現地時間2024年8月21日に公開された感動的なミュージック・ビデオが、彼らのビジョンに命を吹き込んだ。

 この痛烈なMVでエミネムは、外から中を眺めながら、当時キャリアに忙殺され、依存症と闘っていたために見逃してしまった自分の子どもたちの人生の貴重な瞬間が再現される様子を見守っている。娘のヘイリー・ジェイドが発表会でギターを演奏し、卒業式でステージを歩き、誕生日にろうそくを吹き消している姿、養女のアレイナの卒業式、養女のスティーヴィーがプレゼントを開ける姿、年が離れた自身の弟のネイトがホリデー・シーズンを過ごしている様子など、ホーム・ビデオの映像が全体に流れ、エミネムは神に許しを乞うためにひざまずく。

 その後、今の彼が眠っている過去の自分に怒りをぶつけ、涙を流す家族が墓を取り囲む中、自身が入った棺が地中に下ろされる。最後にはヘイリー・ジェイドがギターを演奏しているホーム・ビデオが再び流れ、心に迫るMVを締め括っている。

 MVの最後には、「助けが必要なら、あなたは一人ではない」というメッセージが表示され、助けを必要としているファンにメンタルヘルスに関するプラットフォームBetterHelpを訪れるよう促している。BetterHelpは、メンタルヘルス相談へのアクセスにおける障壁を取り除くことを目的としている。

 『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ』は7月12日にリリースされ、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で初登場1位を獲得した。初週に281,000アルバム換算ユニットを記録し、エミネムにとって11作目のチャート首位となった。

 「Somebody Save Me」は、アルバムのラストを飾る悲しげな楽曲で、ジェリー・ロールが歌い上げるサビが印象的なヒット曲「Save Me」を大々的にサンプリングしており、同ソング・チャート“Hot 100”で27位を記録した。「Somebody Save Me」のリリース後、ジェリー・ロールは“子どもの頃のヒーロー”と仕事をした時のことを振り返り、感慨に浸った。

 彼は7月12日にインスタグラムに投稿した文章で、「僕はいつも、子どもの頃のヒーローはウィリー・ネルソンとエミネムの間にあったと話している。エミネムが書いた言葉のすべてに共感した。彼を理解し、彼もまた僕を理解してくれているように感じた。僕は人生の大半を誤解されていると感じながら過ごしてきたから、これは珍しいことだった」と綴り、「だからエミネムが僕の曲“Save Me”を彼の新しいアルバムでサンプリングすると聞いたときの気持ちを想像できるだろう。そして、もし彼が自分の中の悪魔に負けてしまっていたら起こっていたかもしれないことのもう一つの側面を語るためにその曲を使ったことに僕は涙した」と明かしていた。