西日本短大付(福岡)の村上太一投手(撮影/加藤夏子)

 対する西日本短大付は打線が活発だ。福岡大会7試合で74安打58得点、チーム打率は4割近い。中でも主将で4番の高峰駿輝は打率4割超、本塁打を含む4長打とパワー満点だ。エースの村上太一も主軸を打ち、高峰と並んでチームトップの12安打を放った。185センチ85キロという堂々たる体格で、打席でも雰囲気たっぷりだ。

西日本短大付(福岡)の村上太一投手(撮影/加藤夏子)
西日本短大付(福岡)の古賀海凪選手(撮影/加藤夏子)

 下位打線含めどこからでも点が取れる強力打線だが、気がかりは3番を打つ古賀海凪。福岡大会では2安打にとどまった。古賀が復調すればさらに打線の脅威は増す。

 投手陣は大黒柱の村上が33回を投げて失点8。尾方聡馬、中野琉碧にも安定感があり、継投も計算できる。

 打力では西日本短大付に分がありそうで、金足農の吉田がどこまで踏ん張れるか。継投のタイミングなど、“吉田に頼りすぎない”柔軟な投手起用ができるかが試合の行方を左右しそうだ。

 先発投手の出来次第で接戦にも大差にもなる可能性を秘めるカード。ハラハラドキドキの試合展開を期待したい。
(編集部・秦正理)

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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