ふたたびの“金農旋風”なるか。2018年の第100回大会で吉田輝星(オリックス)を擁して決勝まで勝ち上がり、準優勝を果たした金足農(秋田)が6年ぶりに夏の甲子園に戻ってきた。8月9日、大会第3日の第2試合で西日本短大付(福岡)と対戦する。

金足農(秋田)の吉田大輝投手(撮影/写真映像部・松永卓也)
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 旋風の記憶を呼び起こすのは、金足農の2年生エース・吉田大輝が吉田輝星の弟だからだ。兄と同じく直球の伸びが持ち味で、最速は146キロを計測する。さらに、主将の高橋佳佑の兄は第100回大会の3回戦、横浜(南神奈川)戦で逆転の3点本塁打を放った高橋佑輔さんで、現在コーチを務める。

金足農(秋田)の主将・高橋佳佑選手(撮影/写真映像部・松永卓也)

 秋田大会では守備が始まる前に、吉田がマウンドで片膝をついて中堅に向け刀を抜く仕草を見せ、中堅手の高橋が同じように応える場面もあった。第100回大会で兄が見せ話題を呼んだ“シャキーン”ポーズの再来に球場は沸いた。甲子園で披露されれば観衆が盛り上がること必至だろう。

金足農(秋田)の吉田大輝投手(撮影/写真映像部・松永卓也)

 否が応でも18年の旋風が思い出されるが、ほぼ先発9人のみで戦い抜いた当時と違うのは、ベンチにも戦力が控えていることだ。投手陣は花田晴空、左腕の近藤暖都ら粒がそろう。

 打線のカギは2年生コンビの活躍か。3番を打つ薮田龍人は秋田大会で打率5割、チームトップの7打点を挙げた。三塁を守る佐藤晃真は下位打線ながら5割近い打率を誇る。

 第100回大会の近江(滋賀)戦で見せた逆転サヨナラ2ランスクイズは記憶に新しいが、小技を交えた堅実な攻撃は健在。秋田大会での犠打は19を数え、18年当時のチームを彷彿させもする。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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西日本短大付は打線が活発