ここで、さらに別の視点から投資を見ます。あなたは、投資の理念を考えたことはおありでしょうか。綺麗事だけを語る気はなく、もちろんお金を増やす手段です。そこは否定しません。しかし、私は確かな投資理念を持っています。それが結果的に自分の利益にも繋がると考えています。

 世界はどうやって便利になってきたのかをお話しします。古くは、電球が生まれたのも、電池が生まれたのも、電話機が生まれたのも、ペニシリンが生まれたのも、投資した人がいるからです。もちろん、研究者自ら出資したケースもあるでしょう。申し上げたいことは、どんな研究や開発にも資金が必要だということです。

 より実感が湧くように、今の世界の話に移します。今、私たちは令和6年8月の世界を生きています。この世界は、(分かりやすくするために、あえて和暦で書きますと)平成の人、昭和の人、それより前の人たちによる投資(や労働・研究・開発)によってつくられています。

 今、私はこの原稿をPC(Word)で書いています。Microsoftに投資した人がいるから、WindowsやWordが生まれました。マウスでクリックすれば誰でもPCが使えますが、1990年代前半まではPCを使いこなすのはやや難解でした。

 私たちは普通にスマホを使う世代です。Appleに投資した人がいるから、iPhoneが生まれました。電話、メール、カメラ、動画視聴、録音、メモ帳、天気予報、株式取引、銀行決済など手のひらの上で何でもできてしまいます。

 Google Inc.(当時)に投資した人がいるから検索サイトGoogleが生まれました。それまで調べ物は書店で本を購入したり、図書館で本を借りたり・過去の新聞を読んだりしてするものでした。

 VISAに投資した人がいるから、世界中のどこでもVISAカードがあれば買い物ができます。

 買い物はAmazonでポチればすぐに届きます。

 毎日のように電車や自動車・バスに乗ります。飛行機で海外旅行もできます。これら、私たちが普通に利用しているモノやサービスは、過去の人の投資の積み重ねであるという視点を持つことが大切だと思います。つまり、世界は投資で成り立っているのです。

次のページ