一度見てしまうと、あっという間に「あちら(動画)側」に行ってしまう子ども。もう「こちら側(読書)側」に戻ってきてくれないの……? 本を読んでほしいけれどなかなか定着しないというご家庭に、子どもが読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を立ち上げた笹沼颯太さんが、子どもを本好きにする方法をアドバイス。今回は「読書 VS. 動画」についてお話を聞きました。
【マンガで読む】夏休みの宿題のすすめ方はこちら(全14枚)本と動画、どちらが子どもに近いか「距離」に注目してみましょう
――「動画」を知ってしまい、本からすっかり遠のいてしまった……という声を多く耳にします。
「ヨンデミー」ユーザーさんも、はじめは多くの方が同じことをお話しされています。
でも、「本を読んでほしい」と願いながらも、実は動画に手が届きやすい環境であることって、けっこう多いものなのです。
どういうことかというと、子どもが「ひまだな」と感じたとき、視界にタブレットやスマホが入ったら、それは見てしまいますよね。手が届くところにテレビのリモコンがあれば、ゲームだってしますよね。
「ひまだな」と思ったときに、動画よりも先に本が目に入るような「距離」でないと、子どもは本を手に取りません。ですから、子どもがよく座るソファに本が置いてあれば、なんとなく開くでしょう。なぜなら、いちばん近くにあるからです。
こんなふうに、動画と本、子どもとの距離を見直してみましょう。「距離」というのは空間だけでなく「スピード」も入ります。
動画は、ひとつが終わるとすぐに次のおすすめが現れて、途切れることなく見てしまいがちですよね。
受動的に楽しめる動画に比べて、本は一冊読み終えると「次は何を読もうかな」と自分で考えなくてはいけません。さらに、選んで、ページを開いて、自分の力で読み進めていくので、動画に比べると読書のほうが圧倒的に負荷が大きいのです。
この「差」を埋めるために、僕たちがよく親御さんにお話しするのは、先ほどのように「距離」を縮めること。そして、とにかく、「たくさん本を図書館で借りてきておいてください」ということなのです。一冊読み終わっても、すぐに次がそこにある状態にするのです。
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