神奈川県から来た29歳の「日傘男子」。「サンバリア100」の完全遮光の日傘を約1万円で買って猛暑に備えたという(撮影/上田耕司)
この記事の写真をすべて見る

 日本全域で記録的な猛暑がつづくなか、日傘を差す男性の姿を多くみかけるようになった。かつては少数派だった「男の日傘」は、ここ最近は完全に市民権を得たようにみえる。そこで、AERA dot.が東京・銀座で日傘を愛用している男性たちを取材すると、「日傘でないとダメな理由」がうっすらと見えてきた。また、街の女性たちにも「日傘男子」の印象を聞いてみた。ルポでわかった「男の日傘」の最前線。

【写真】数万円の高級品を持つ「日傘男子」はこちら

*  *  *

 休日の買い物客でにぎわう東京・銀座のアーケード街。最高気温が36.7度を記録した8月4日、記者が取材で街中に出ると、汗が一瞬で吹き出し、日差しで肌がチクチクと痛むほどだった。

 当然、日傘をさしている人も多くいるのだが、そのうち、男性の日傘姿も多く目につく。記者は日傘をさす習慣はなく、どこかまだ気恥ずかしさも感じてしまうのだが、「日傘男子」たちに抵抗感はないのだろうか。

 母親と食事をするために神奈川県から銀座に来たという、黒色の日傘をさす男性(29)はこう話す。

「もう、暑いとかじゃなくて、痛いじゃないですか。日傘は陰を作れるので、日陰の中を移動している感じになるのがいいですね。日傘の表面を触ると熱くなっているし、ささなかったらだいぶ紫外線(UV)を食らっていると思います」

次のページ
3~4分に1人は出くわす「日傘男子」