今年で創業94年になる東京・東日本橋の洋傘専門店「小宮商店」で売られている日傘(撮影/上田耕司)

帽子ではなく日傘をさす理由

 若い「日傘男子」もいる。男女で仲良く1本ずつの日傘を差して歩いていた大学3年生の男性(21)は、帽子をかぶったうえに日傘もさしていた。

「帽子は頭に熱がたまってしまうので、日傘をすれば少し温度が下がるし、日焼け対策にもなります。それに、汗っかきなので、少しでも熱量を下げたい。大学へ行く時も日傘で行っています」

 横にいた女性は「私は日傘大好きです。男性もしたほうがいいと思います」と、日傘男子を歓迎しているようだった。

 日傘を「売る側」も変化を感じ取っているようだ。創業94年の東京・東日本橋の洋傘専門店「小宮商店」の広報・加藤順子さんはこう話す。

「昨日も今日も、朝、男性が一人で来られて日傘を買っていかれました。男性客が毎日、何十人といらっしゃいますね。『朝の通勤時、いつも電車で一緒になる男性が日傘を持っていたから、僕も我慢していたけど、日傘がほしくなった』とおっしゃった男性客もいました。『他の人がさしているから、もうさしてもいいかな』とおっしゃるお客さんも多いですね」

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スーツ姿の男性に日傘が多い理由