先輩芸人は好意的?

 一方、フジテレビのバラエティー看板枠と言われる「土曜8時」で放送中の「新しいカギ」では、現在もメインキャストとして出演中。今年の「FNS27時間テレビ」では「新しいカギ」チームが総合MCを務めることも発表された。民放バラエティー制作スタッフは言う。

「霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコという3組がメインの『新しいカギ』はコント番組として始まり、当初視聴率的は低かったのですが、『学校かくれんぼ』などの企画がヒットし“親子で見られるバラエティー番組”として見事に再生。今やフジテレビが局を上げて猛プッシュする番組になりました。この番組は粗品さんにとっても唯一のゴールデン帯でのレギュラーであり、メインキャスト。破天荒キャラを押し出しつつも戦略家なので、絶対にこの番組をつぶすような炎上の仕方だけはしないはず。彼のケンカ芸のボーダーラインはここにあるのではないでしょうか」

 派手なケンカ芸をしながらも、ボーダーラインはわきまえているということなのだろう。一方で、前出の放送作家は「きっと今の粗品さんを見て先輩たちは懐かしい思いをしているはず」と語る。

「お笑い史をさかのぼると、とんねるずやダウンタウンも前の世代を否定することから始めて、自分たちの時代を作った。千原ジュニアさんや太田光さんも周囲と対立しながら自分の立ち位置をつかんできた人たちなので、大御所芸人の中には粗品さんに対して親近感を覚えている先輩も少なくないはずです。今はコンプライアンスが厳しくなり炎上発言を避ける芸人が多いなか、デジタルネーティブの粗品さんはネットで拡散されることを前提としたケンカが非常にうまい。しかし、オリエンタルラジオの中田敦彦さんのようにケンカの仕方を間違えるとお笑い界に居場所がなくなり、弾き出されてしまう。したたかな粗品さんはその辺のグリップを巧みに変えつつ、今後もケンカをし続けていくことでしょう」

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損をするのは粗品自身