「凍結ではなく撤廃を希望します。iDeCoに加入している人とそうでない人の『税負担の公平性』が建前ですが、違和感があります。完全に無くせば『いつかは1.173%?』という不安要素が取り除かれます」
受け取り時の課税継続
受け取る時の税金も非課税にしてほしい、という要望は。
「これはさすがに非課税とはならないでしょう。掛け金が全額所得控除されていますから、受け取り時も課税しないという発想にはなりづらい。もし非課税にするのなら、制度開始時にそういう建て付けにしているはずです。企業版DCとの整合性も考慮する必要があります」
そういえば、iDeCoにも関わる「退職所得控除の見直し」が報じられたが消えた。
「結局は政治の話。この手の案は浮かんでは消え、の繰り返しです。経済情勢や選挙、他の政策とのバランスで締めたり緩めたり。租税負担率と社会保障負担率を合計した『国民負担率』が45.1%(24年度見通し/財務省)まで来ている状況でのさらなる徴税には反対したい」
この状況を、江戸時代ならぬ「令和の時代の五公五民、一揆寸前?」と表現した記事を見かけた。まさに。(経済ジャーナリスト・向井翔太、編集部・中島晶子)
※AERA 2024年7月29日号