小6の時には、当然のように息子にハンディをつける案が出る中、当時の担任の先生は「勝つって?」というテーマをつくり、息子の気持ちに配慮しながらクラス全員にこのテーマを投げかけ、さまざまなゲームをしてその結果などから何度も話し合い、最終的に息子は他のお子さんと同じ距離を走ることになりました。リレーは才能だけではなく、バトンパスや走る順番など戦略を練ることでタイムに差が出ます。当日のチームワークの良さやさまざまなハプニングにも助けられ、息子のクラスは優勝しました。息子を特別視することなく、学校に在籍するひとりとして競技が進んだことに、今でもとても感謝しています。

 障害のある子どもたちも、健常のお子さんと同じようにスポーツを楽しむことができる時代になりました。パラスポーツも年々認知度が増し、盛り上がっています。手加減と配慮はまったく別物です。障害があってもスポーツを楽しみたい気持ちをサポートできる環境が広がっていくと良いですね。

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江利川ちひろ

江利川ちひろ

江利川ちひろ(えりかわ・ちひろ)/1975年生まれ。NPO法人かるがもCPキッズ(脳性まひの子どもとパパママの会)代表理事、ソーシャルワーカー。双子の姉妹と年子の弟の母。長女は重症心身障害児、長男は軽度肢体不自由児。2011年、長男を米国ハワイ州のプリスクールへ入園させたことがきっかけでインクルーシブ教育と家族支援の重要性を知り、大学でソーシャルワーク(社会福祉学)を学ぶ。

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