その分析行為をネット民が半ば肩代わりし、情報の中身を解説付きでネット上にさらしている。「結果的にKADOKAWAを追い込み、犯罪集団の意図した展開になっている。犯罪者に協力してしまっている。今すぐ情報を削除すべきだ」

被害は年間100件超

 日本のランサムウェア被害件数は、2023年で197件(警察庁調べ)とここ数年、年間100件を超えている。内部情報が流出する被害も少なくない。森井さんも過去に、さまざまな被害組織から相談を受けてきたという。

「これまでは犯罪者が流した情報に触れない、騒ぎ立てないことで犯罪集団の思う壺にならないという常識が働いていたと思う。だが今回は犯罪をイメージできないネット民が興味本位で飛びついた。流出したデータを前に『宝の山がある』くらいにしか思っていないのだろう」

 犯行声明によれば、KADOKAWAから盗み出した情報は「1.5テラバイト」分だという。フルHD動画で約250時間分の容量に相当する。

 さらに今回の情報リークが、全体量の半分だとにおわせるような表現もある。今後も警戒が必要だ。(朝日新聞編集委員・須藤龍也)

AERA 2024年7月22日号

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