離婚を切り出されたら諦める

 再取材した時点で、都内36カ所に掲示してあったポスターはすべて剝がしたという。そして、こう続けた。

「もし、妻から離婚を言い出されたら諦めようと思っています。しかし、もしこの状態を乗り切れたら、こんな頼りない夫を支えてくれた妻にも、まだ何もわからず遊んでいる息子にも、一生をかけて償っていきたいです」

 今回、改めて取材を受けたのは、いまだ「ポスタージャック」に参加している人たちに、自分の後悔を伝えたいという理由もあるという。

「ポスターの内容は公序良俗に反していないにしても、私はポスターを出してしまったことをとても後悔しています。世間の常識から逸脱した行いをして、愛する家族を悲しませてしまった……。だからこそ、(都知事選の掲示板での)ポスターを通しての主張はいま一度、考えるべきだと思っています」

 そして、最後にこう語った。

「投票に行っていただき、本当に都知事にふさわしい人を選んでほしいと思っていますし、一人の同じ日本人として、東京の皆さまのよりよい生活を願っているのは本心です。ただ、その手段が間違っており、家族や都民の皆さまにご迷惑をおかけしてしまいました。このたびは誠に申し訳ありませんでした」

 取材の最後には、男性の目は泣き腫らして真っ赤になっていた。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)

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