民放テレビ関係者は、強打者を獲得するための大型トレードを提案する。
「助っ人外国人を頼りにするチーム編成はリスクが大きい。西武はここ数年で痛感しているでしょう。クリーンアップを打てる強打者の獲得に動くべきです。順調にいけば今年中に国内FA権を取得する佐野恵太(DeNA)、大城卓三(巨人)、大山悠輔(阪神)は魅力的ですが、マネーゲームになると厳しい。トレードという選択肢もあります。島内宏明(楽天)、杉本裕太郎(オリックス)は近年くすぶっていますが、打撃タイトルを獲得した実力者です。環境を変えれば復活する可能性を秘めています」
島内は21年に打点王、22年に最多安打を獲得するなど中距離打者として活躍してきたが、今季は40試合出場で打率.214、0本塁打と調子が上がらず、5月27日に登録抹消された。楽天は今江敏晃新監督が就任し、今季は交流戦で球団史上初の優勝を飾っている。辰己涼介、小郷裕哉、渡辺佳明と伸び盛りの選手が多い中、島内は微妙な立場に。さらに、今年で4年契約が切れる。FA権を取得しているが、若返りが進むチーム状況の中で去就が気になるところだ。
杉本はプロ6年目の21年に打率.301、32本塁打、83打点と大ブレーク。本塁打王を獲得し、リーグ優勝に貢献した。翌22年は打率.235、15本塁打、51打点と成績を落としたが、短期決戦で強さを発揮。ヤクルトと対戦した日本シリーズでは3度の決勝打を放ちMVPを受賞した。だが、21年の輝きを取り戻すまでには至っていない。度重なる故障にも苦しみ、昨年は打率.242、16本塁打、41打点。今年も29試合出場で打率.207、1本塁打、3打点と成績が年々下降している。5月は打撃不振で1カ月間ファームで調整し、6月から下位打線でスタメン出場しているが状態が上がって来ない。
「もどかしいですよね。実力を考えたらクリーンアップを張らなければいけない打者です。中島聡監督が我慢強く起用してきましたが、打撃の内容が悪い。ボール球に手を出し、ストライクに手が出ない。不調の原因が技術面なのか精神面なのか見極めが難しいですが、ホームランアーティストとしての才能は同学年の山川穂高(ソフトバンク)、筒香嘉智(DeNA)に引けを取らない。復活してほしい選手です」(在阪スポーツ紙記者)