西武は過去にも大型トレードを敢行
西武がトレードで島内、杉本の獲得に乗り出すとすれば、主力選手を放出する覚悟が求められる。スポーツ紙デスクは豊富な投手陣から候補が出ると話す。
「與座海人、水上由伸が有力候補になると思います。サプライズで言えば、高橋光成です。エースとして支えてきましたが、今年は肉体強化が裏目に出たのか結果が出ていない。本人はメジャー挑戦を望んでいますが、この成績では厳しい」
最下位に低迷する西武だが、投手陣を見渡すと明るい未来も見えてくる。高橋光のほかにも今井達也、平良海馬、隅田知一郎、ドラフト1位左腕の武内夏暉、救援に回っている松本航と、エース級の投手がそろい、先発ローテーション入りを狙う若手も渡邉勇太朗、青山美夏人、羽田慎之介、菅井信也ら将来を嘱望される成長株たちが控えている。
それだけにスポーツ紙デスクは、エースの高橋光との大型トレードの可能性もあるという。
「西武は、過去にもチームの顔だった秋山幸二をダイエーに放出する電撃トレードを敢行しています。チーム再建に迫られている中、今オフに衝撃的なトレードを仕掛ける可能性がゼロとは言えない。高橋光成を交換要員にすれば、即戦力の野手を2人獲得できるでしょう」
21年から3年連続2ケタ勝利をマークしている高橋光だが、今季は右肩の張りで出遅れた。4月14日に1軍昇格したが、10試合登板で0勝8敗、防御率4.42。白星がつかない焦りがあるかもしれないが、直球に本来のキレがなく集中打を浴びるケースが目立つ。6月23日のオリックス戦では3回までに5四死球と制球が乱れて2失点で降板し、ファーム降格となった。
ロン毛がトレードマークだが、昨年の西武ホールディングスの株主総会では「見苦しい。食事がまずくなるので注意できないか」と株主からクレームがついて話題に。「ロン毛部」の仲間だった今井達也は4月下旬に長髪をバッサリ切り落としたが、高橋光はロン毛を貫いている。
高橋光をよく知るメディア関係者は擁護する。
「ロン毛に関して賛否両論の声があるのは理解していますが、野球に向き合う姿勢は誰よりもストイックです。今井、平良海馬、與座など投手陣は高橋光を慕っていますし、トレーニングも一緒にやっている。西武に不可欠な投手だと思いますけどね」
シーズンはまだ半分も終わっていない。高橋光はもう一度はい上がり、意地を見せることができるだろうか。
(今川秀悟)