着こなしで「上品」にすればいい

「UKロックバンドのザ・ストーン・ローゼズの有名な“レモン”をモチーフにしたTシャツを着ていたら、中野のドン・キホーテで見知らぬ20代と思われる男性から『ストーン・ローゼスですよね。あ、急に声をかけてすみませんでした』と言われてビックリ! 一見ただのレモンなんだけど、フランスの5月革命の時、若者たちが催涙ガスの痛みをやわらげるためにレモンを絞って飲んでいたという話からきているモチーフ。見ている人は見ているのだと驚いた。だから、私はこれからもロックTシャツで生きていく!」(50代)

 スタイリストの角 佑宇子さんは、40代以上の女性がロックTシャツを着ることについて「個性があって良いことだと思います」としたうえでこう話す。

ファッションにはTPOに合わせる着こなしと、アイデンティティーを表現する着こなしの2種類があり、ロックTシャツは後者に該当する着こなしです。ロックTシャツがダメと言われる理由は、Tシャツのデザインが“品がない”とみられやすいこと、また、Tシャツが色あせたり、ヨレたりした状態で着ていると“だらしない”とみられやすい点にあると思います。逆に、たとえデザインが騒々しくても、着こなしで上品さを表現すればいいですし、Tシャツそのものに清潔感があれば全く問題ありません。つまり、好きな服をご自身らしく上手に着こなせば良いわけです」

 荻野目洋子が「服には力がある」とつぶやいていたが、ロックTシャツは、それを好きな人たちの元気の源であることは間違いないようだ。

(AERA dot.編集部・太田裕子)

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