フルフレックスやフルリモート、業務委託契約など働き方が多様化する中で、働く女性の仕事に対する意識も多様化かつ細分化している。バリキャリ派、ゆるキャリ派に加わえて、新たなトレンドになっているのが仕事もプライベートも両方の充実を求める「フルキャリ派」だ。AERA 2024年6月24日号より。
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かつては「働く」女性は大きく二つに分かれていた。キャリア重視でバリバリ働く「バリキャリ派」と、プライベート重視の「ゆるキャリ派」だ。最近、そこに「仕事もプライベートも同じ熱量で向き合いたい『フルキャリ派』」が加わり、新たな潮流になりつつある。
アエラのアンケートにも、それぞれの「派」に該当しそうな女性の声が寄せられている。まずはバリキャリの片鱗がうかがえる回答者から紹介しよう。
「職場に女性管理職のロールモデルがなく、自分が能力を発揮して役に立っているところがイメージしづらい」と嘆く広告業界の管理職の女性(46)。今後の自身のキャリアについては「自分の役割は自分でつくっていくので見てろよ、って思っています」と闘志にあふれる。
コンサルティング会社に勤務する管理職の女性(35)は、社会人大学院に通いながら仕事を続け、出産後は2カ月で復帰。その2年後に大学院を修了し、管理職昇格を果たした。「大前提として、能力を高めた結果として管理職になるものだと思っています」ときっぱり。
一方、プライベート重視の「ゆるキャリ派」。都内の教育・学習支援関連の仕事に就く係長級の女性(46)は働くことが「好き」としながらも、働き方については「プライベート重視。キャリア志向はなく、生活水準を保つ給与を得られればよい。残業などはほとんどしないでよい職場にかぎる」と割り切る。ほかに、「午後5時には帰宅し、家族との時間を大切にできる働き方をしたい」(群馬県・40歳の会社員女性)といった声も。
細分化する女性たち
トレンドの「フルキャリ派」はどうだろう。アンケートでは仕事もプライベートも「両方とも全く諦めていない」という回答が目立った。