![マンガ/上大岡トメ](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/227mw/img_25e88854d413697274484295d9f8517847575.jpg)
ある時、うちの母がわたしの弟である長男たち家族に言ったらしい。
「あんまり、関わってうっとうしがられるのはイヤだから、できるだけあんたたちに関わらないようにするね」
それを聞いた長男は、母を怒った。
「関わるから家族になるわけで、関わっていたら、お互いイヤなこともあるかもしれないけれど、そうやって、家族になっていくわけだろ」
その言葉を言われて、母はとってもうれしかったらしく、よくその話をわたしにしてくれた。
とはいえ、もちろん関わるということは、いいことばかりでもない。
毎日、いろんなことが起きる。
「ほんまに、はっきりしてるわ」と母が言うから、どんなことかと思ったら、お中元をもらったときのこと。
全部並べて、「好きなものを持っていっていいよ」と長男の嫁に言うと、高価なものやめずらしてものだけ選んだそう。
「お茶もいっぱいあるよ」と言うと、「お茶は、いいです」との返事。
それを聞いたわたしは、思わず言った。
「はっきりしてていいやん。いらんもの押し付けられても困るやん」
「そのとおりやね」
と母も笑っていた。
そんな長男の嫁も次男の嫁も、わたしの父の介護は、実の娘のわたしよりもはるかによくしてくれた。
わたしは、感謝しかない。
年月が人を変えることもある。
結婚当初からお正月になると、長男も次男も嫁の実家に帰っていた。
最初は、母も少し寂しかったかもしれない。
でも、「そんなことを気にしていると思われたくない」と、母は大晦日からホテルをとって、正月はホテルで友人たちと過ごす。